塩江物語 第二話 生きる 冬子のなみだ
ISBN:9784863870604、本体価格:800円
日本図書コード分類:C0023(一般/単行本/歴史地理/伝記)
92頁、寸法:127×182×6mm、重量107g
発刊:2015/05

塩江物語 第二話 生きる 冬子のなみだ

【発刊に寄せて】
高松・塩江ふるさと会会長〔高松市観光大使〕 池田 克彦
 ふるさと塩江のために、第一話の別子八郎伝「大蛇」に続いて、第二話「生きる」を筆者である島上さんが地元の人等からの取材を元に上梓した。
 会長に巻頭文を書いてほしいと要請があった。快諾し原稿を拝見した。よく出来ている。が小生が巻頭文を書くのかと逡巡した。戦後10年・20年〔昭和23年~30年〕時代の家族愛と中心人物の少年が希望を持って生きるストリーである。
 この当時、日本は敗戦で外地からの多数の引揚者と産業・生産が破壊され食料もなく、塩江も例外でなく総面積80平方キロメートルのうち耕地面積〔水田1.8平方キロメートル・ほとんどの香東川周辺のみ〕がほんの僅かで、そこに人口約1万人〔昭和22年〕が住み、山の急斜面に点々と張り付く家屋、山ばかりで当然食わせる田畑は足りない。そのような中、自給できず人々は生きるか死ぬかの生活を強いられたと思う。こんな流れがある時期、小生は昭和36年度安原中学〔現塩江中学〕を卒業して県外〔神奈川県〕に出た。こんな貧乏な地に帰りたくない気持ちだった。
 島上さんの第二話は、自分の貧乏と苦しいイメージが重なってしまい読んでいるうち、つい不覚にも落涙してしまった。そんなことから書くのを逡巡した。しかし、今の塩江は、人口も減り過疎となったが自然豊かでゆっくりとした生活ができる安心・安全な町に生まれ変わった。小中時代の友人と話ができ、好意を感じた女性とも再会した。
 今は、ふるさと会のご支援を地元塩江町有志から頂き、感謝している関係からも、少しでも町おこしのお手伝いになればと、島上さんの「生きる」書に添えさせて頂くことを幸甚に思っている。

【目次】
発刊に寄せて  池田 克彦
冬子のなみだ
父さんの涙
塩江町への誘い

【著者紹介】
〔著者〕
島上 亘司