「御日記(中奥・祐筆間)翻刻と周辺調査」
ISBN:9784863871601、本体価格:4,500円
日本図書コード分類:C3020(専門/単行本/歴史地理/歴史総記)
343頁、寸法:××mm、重量g
発刊:2022/03

「御日記(中奥・祐筆間)翻刻と周辺調査」

【はじめに】
本書に収めた史料「御日記(中奥・祐筆間)」は、市民向け古文書解読講座テキストの一つとして使用してきたものである。このテキストがもつ端正な雰囲気、「殿様・若殿様・姫様」などの馴染みのことば、料理・食品・衣料品・道具などについての語、人間関係など、これらは講座参加者の解読への意欲を刺激したと考えられる。できれば、テキスト全ての写真版を提供できないかとも考えたが、難しいところがあった。そこで、テキストの全文翻刻と、関連する事柄の調査を考えた。その結果できたのが本書である。本書の「序」では史料そのものに関する概略と、史料内容に関連する周辺調査の概略を述べた。「第Ⅰ部」で史料の全文翻刻を載せた。「第Ⅱ部」では周辺調査として、江戸邸・奥方・女中などについての調査結果を示した。これらは、史料が高松藩江戸上邸にかかる天保14年(1843)の日記であるにより、内容はすべて高松藩に関するものになっている。

【目次】
 序
  一 「御日記(中奥・祐筆間)」の形態から
  二 「御日記(中奥・祐筆間)」の内容から
  三 「御日記(中奥・祐筆間)」の周辺調査
第Ⅰ部 「御日記(中奥・祐筆間)」の翻刻
 御日記(中奥・祐筆間)
  〈凡例〉/正月/二月/三月/四月/五月/六月
第Ⅱ部 「御日記(中奥・祐筆間)」の周辺調査
 第一章 高松藩江戸邸沿革
  はじめに
  一 高松藩江戸邸Ⅰ―寛永~万治期成立―
  二 高松藩江戸邸Ⅱ―寛文期成立―
  三 高松藩江戸邸Ⅲ―元禄期成立―
  四 高松藩江戸邸Ⅳ―宝永~正徳期成立―
  五 高松藩江戸邸Ⅳ―成立後―
   (1)上邸
   (2)中邸
   (3)下邸
  おわりに
 第二章 高松藩江戸邸の場所
  はじめに
  (1)桜田邸
  (2)芝邸・芝三田邸
  (3)芝金杉邸
  (4)目黒邸
  (5)龍口邸
  (6)元誓願寺前邸
  (7)小川町邸
  (8)小石川金杉邸
  (9)隆慶橋邸
  (10)元矢ノ倉邸
  (11)水道橋外邸
  おわりに
 第三章 高松藩奥方規定
  はじめに
  一 承応~寛文期の奥方にかかる規定
  二 享保~元文期の奥方にかかる規定
  三 文化~文政期の奥方にかかる規定
  四 一八・一九世紀の高松城三の丸
  五 史料
 第四章 高松藩女中(一)―天明七年「讃岐高松藩分限帳」の分析―
  はじめに
  一 讃岐高松藩分限帳のなかの女中
  二 舎弟付の女中
  三 高松藩江戸邸の女中
  おわりに
 第五章 高松藩女中(二)―文久三年「高松藩分限帳」の分析―
  はじめに
  一 高松藩国元の女中
  二 高松藩定江戸の女中
  三 右筆間引除・中奥
   (1)国元
   (2)定江戸
   おわりに
 第六章 飯田町遺跡が明らかにしたこと
  はじめに
  一 高松松平家江戸上邸の範囲
  二 高松松平家江戸上邸の空間構成
  三 陶磁器類の器種組成
  四 建築技術と御用焼
   (1)礎
   (2)地下室
   (3)理兵衛焼―高松藩御用窯―
  五 家紋・墨書・釘書きを有する遺物
   (1)家紋を有する遺物
   (2)墨書を有する遺物
   (3)釘書きを有する遺物
      おわりに
  あとがき
  図一覧(第Ⅱ部)・表一覧(第Ⅱ部)
  口絵
   1 御日記
   2 高松
   3 御奉文
   4 中奥・御方・表方
   5 向合
   6 中奥・御祐筆間

【著者紹介】
〔編著者〕
野中 寛文