真の「古事」を求めて『日本人の源流』神話は縄文時代から、原点は鹿島にあった
ISBN:9784863871649、本体価格:1,300円
日本図書コード分類:C3021(専門/単行本/歴史地理/日本歴史)
150頁、寸法:148×210×9mm、重量271g
発刊:2022/06

真の「古事」を求めて『日本人の源流』神話は縄文時代から、原点は鹿島にあった

【はじめに】★『神話』は一滴の曇りのない鏡である。★人類は東アフリカから拡散
2500万年前、ユーラシア大陸の東の端に亀裂ができ海水が入り引き離され、東日本と西日本に分かれて大陸から分離した。東日本と西日本との境界の溝はユーラシアプレートと北アメリカプレートの境界である。この溝をフォッサ・マグナ(糸魚川・静岡構造線)と言う。この二つのプレートの下に太平洋プレートとフィりピン海プレートが沈み込んでいる。西日本は赤石山脈の西縁から大和の宇陀、四国中部の中央構造線(「辰砂の道」)が一直線上にある。独り神の天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)・高御産巣日神(たかみむすひのかみ)・神産巣日神(かみむすひのかみ)が日本列島の形成と関わっているのか。三柱の独り神の後、宇麻志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)・天之常立神(あめのとこたちのかみ)の二柱の独り神、別天ツ神(ことあまつかみ)、五柱の神は天地開闢から日本列島が繋がるまでの神か。1400万年前、熱くなった西日本の紀伊半島沿岸に噴火により巨大な熊野カルデラができ、現在の南紀の橋杭岩等の奇岩がある。海底火山の伊豆半島も東日本と繋がる。国之常立神(くにのとこたちのかみ)・豊雲野神(とよくものかみ)の独り神と夫婦神の「神世七代(かみよななよ)」が日本列島の現在の姿の形成する時代である。10万年前、古富士火山の噴火が起こり、その後、1万3000年前、縄文の海進が始まり、1万2000年前に現在の美しい富士山が形成された。1万年前、伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと)は天の沼矛を賜り、天の浮き橋に立ち沼矛(ぬほこ)で淤能甚碁呂島(おのころしま)を生む。沼島の天御柱(あめのみはしら)で神婚の儀を行い淡路島を生み、7000年前、縄文の海進により現在の瀬戸内海が形成され、四国・隠岐島・筑紫の島・・・大倭豊秋津島を生む。「国生み神話」は西日本中心に縄文早期に展開される。縄文時代、九州等、西日本の各地に遺跡はあるが、人口は、東日本に9割が集中していた。
3万8000万年前、日本人は人類発祥の地・東アフリカから大陸の沿岸を太陽の昇る地を目指して「丸木舟」で東進してきた人々と陸路を北方(千島・樺太)から来た人々である。3万年前に中国にたどり着いた人々とはDNAもY染色体も違う。日本人は東アフリカから拡散した人類の中でいち早く日出づる処を目指した人々か。東南アジアやギリシア・メソポタミアの人々との逆交流は謎である。日本人のDNAは東地中海の人々に近く、最初に極東を目指した人々である。
太古、大陸から引き裂かれ、東北と西南に分かれていたが、1500万年前、逆さ「く」の字にまがり今とほぼ同じ列島が形成された。環太平洋造山帯の上に位置し、日本人は自然を純粋に愛してきた。天照大御神(太陽)をはじめ、月読神(つくよみ)(月)、山の神、海の神、水の神、風の神、・・火の神まで森羅万象に神が宿るというアニミズムである。伊弉諾神(いざなぎ)は桃を意富加牟豆美命(おおかむずみのみこと)と名付け、青人草(あおひとくさ)(人間)を助けるように命ずる。縄文のアニミズムが神話の中に息づいている。『古事記』によると独り神の三柱のあと夫婦神の伊弉諾神(いざなぎ)・伊弉冉神(いざなみ)に生まれる。二人は協力し日本列島を豊かにしていく。最後に、火の神を生み、伊弉冉神は「黄泉国(よみのくに)」へと。火と土の文化の「火焰式土器」や豊穣・生命の再生への祈りの「土偶」・縄文のビーナスや仮面の女神は豪雪地帯の美で世界に誇る芸術作品である。「再生への祈り」、縄文の精霊崇拝は日本の神話の原点である。7300年前の鬼界カルデラ噴火で薩摩・日向は火山灰で覆われシラス台地となり、「日向三代」に「海幸彦・山幸彦」の話はあるが「稲幸彦(いなさちひこ)」の話はない。青垣の山で囲まれ稲作に適した「大和・真秀(まほ)ろばの地」を求め、神倭磐余彦命(かみやまといわれびこ)の東征が始まる。二代目の綏靖(すいぜい)から孝安天皇まで大和の葛城の地を治めていた。孝安・孝霊の御代に倭国の大乱が起こり、大吉備諸(もろ)進命・孝霊天皇・吉備津彦命・稚武(わかたけ)吉備津彦命・百襲姫(ももそひめ)の活躍で平定し、185年、孝霊天皇が退位し近江の伊勢遺跡で女王卑弥呼・百襲姫を共立する。【2019年2月6日NHKテレビ放送歴史秘話ヒストリア『銅鐸とまぼろしの王国』】卑弥呼・百襲姫の死は247年3月24日の日食と重なり、天照大神が乗り移っていた百襲姫の霊力が弱まり死に至る。崇神天皇は卑弥呼の神託により疫病に対処し天皇は四道を治めたとか】『日本書紀』では崇神の御代は紀元前の年代となり、考古学では古墳時代は紀元後三世紀半ばで整合しない。その故、天皇の年齢は、『古事記』より『日本書紀』が延命になっている。天皇の代数を増やせば100歳以上のあり得ない年齢を避けることができたが、『古事記』や豪族たちの諸家伝と異なり信憑性を欠くことになる。崩年の不明な天皇の年齢を加算したか。謎である。また、『記』の「三輪伝説」では大物主神の妻は活玉余理毘売(かつたまよりびめ)となっているが、『紀』の「箸墓(はしはか)伝説」では大物主神の妻は百襲姫となる。謎である。さらに、神功皇后を卑弥呼に擬すべく意図的に120年も繰り上げている。『日本書紀』は漢文体で正史としての形態を整えているが、全てが真実ではない。神武天皇が橿原宮で即位したのは皇紀2682年前である。日本には暦がなく「春秋年」としていた。『古事記』の神話の「神世代」として縄文時代の地質学「鬼界カルデラの噴火」「瀬戸内の縄文海進」、考古学とも繋がり信憑性がある。2020年、奈良県の『記紀・万葉プロジェクト』が終わった。この機に、真の「古事(ふること)」を求めて『日本人の源流』を書くことにする。コロナ禍の中、『記紀・万葉集』を色紙絵にまとめてみた。

はじめに
神話と縄文の歴史・自然の精霊と神々と人間との交感
神代から神倭磐余彦命『稲幸彦』の東征と宇陀『辰砂の道』
大和最大級の水田「中西遺跡」と「葛城王朝」
『倭国の大乱』と孝霊天皇の黒田廬戸宮と皇女・百襲姫(卑弥呼)
山辺の道と崇神・垂仁・景行天皇(イリ王朝)(上田正昭氏・京大)
「倭の五王」とその後の王位継承問題
厩屋皇子の摂政と太子の道、乙巳の変・白村江の戦い
壬申の乱から天武天皇・持統天皇と「藤原京」
元明天皇・「平城京」と藤原不比等の『天平維新』
『万葉集』の概要と「自然を純粋に愛する心」
令和の風景と万葉の心
空海と弘法清水
田楽から散楽へ、大和猿楽四座から能四座へ
『記紀』と『先代旧事本紀大成経』(江戸時代、偽書とされている)・謎
真の「古事」を求めて(まとめ)
おわりに

【著者紹介】
〔著者〕
石井 正信