讃岐を往来した人びと ―現代の私たちは過去から何を学べるのだろう―
ISBN:9784863872066、本体価格:1,000円
日本図書コード分類:C1021(教養/単行本/歴史地理/日本歴史)
238頁、寸法:148.5×210×10mm、重量360g
発刊:2025/05
【はじめに】
2018年7月、香川県が多くの文化財の集まっている場所であることに気がつきました。知識に関しては高松市図書館で調べて、実地として県内を訪ねることから始めました。西は善通寺市の古墳や郷土館を訪れ、あるいは綾川町の十瓶山の須恵器窯遺跡を見ました。11月には高松市埋蔵文化財センターで石清尾山古墳群の話を伺いました。その頃に、香川県には膨大な古代からの歴史が詰まっていると予感するようになりました。ここから讃岐の歴史に魅せられた私は、平賀源内の出身地である志度を訪ね、東の引田を訪ね、さらに別な時には西に行き紫雲出山山頂からの瀬戸内海を眺めることで、あっという間に6年余りの歳月が過ぎてしまいました。本書は、魅入られた歴史とその背後で、歴史を作っていた有名・無名の人びとに思いを馳せた記録です。何分、浅学菲才の身、誤り等の節はご指摘いただければ幸いです
奉掲されている算額の写真と文献をご提供いただいた石清尾八幡宮に深謝いたします。
【目次】
はじめに
第一章 古代の讃岐を往来した人びと
一 讃岐の旧石器時代から縄文時代
二 讃岐の水田稲作と北九州・河内の稲作遺跡
三 讃岐と朝鮮半島
四 東部瀬戸内の一員としての讃岐
五 讃岐を往来した人びと
六 古代文学に表れる讃岐
〈コラム1〉余豊璋・白村江・捕虜と讃岐
七 算術、文字、暦―讃岐の関わり―
〈コラム2〉算生の教科書と、それを利用した測量の可能性
八 人口のはなし
第二章 讃岐に興った産業
一 讃岐の農耕と鳥―鬼道、鬼神、歌垣―
二 苧麻、絹と木綿のはなし
三 円座と檀紙
四 土器と須恵器
〈コラム3〉炭素一四年代測定について
〈コラム4〉歯や骨のストロンチウムを測る
五 流通に必要な度量衡のはなし
第三章 中世から近世に讃岐を往来した人びと
一 崇徳上皇・西行・寂然
二 平賀源内
三 江戸時代オランダ通貨の価値、シーボルトの参府紀行と讃岐の関わり
〈コラム5〉算額
四 江戸時代から明治時代初期に瀬戸内海を往来した人びとと讃岐
第四章 あとがきに代えて―現状と未来―なぜ讃岐だったのか
参考文献
【著者紹介】
〔著者〕
西川 純雄